24人が本棚に入れています
本棚に追加
/42ページ
カタンコトン―
眠い目を擦りながら
今日も電車で仕事へ行く
俺の会社の出社時間は
普通の会社よりかなり遅め
だから人は少ない
けど憂鬱な気分に
変わりはない
俺は扉の前に立ち
流れていく景色を
ぼんやり眺めていた
プシュー
次の駅に着いたとき
俺の目にとまった光景
それは………
1つ前の扉の所で
俺とそんなに歳が
かわらないだろう青年が
電車とホームに空いた
大きな穴のせいで
電車に乗るのをためらっているおばあさんに
手を
さしのべているものだった
.
最初のコメントを投稿しよう!