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一歩部屋に進む
二歩三歩っと吸い寄せられるように窓際まで進み窓を開く
湿気を含む生温い風が頬を撫でる
鼻孔に雨の匂いが拡がる
見渡す限り廃材やガラクタにまみれた三番街スラム
心許ない灯りを頼りにゼンマイ仕掛けのトール人形が薄汚れた舞台で楽しげにクルクル踊っている
「……」
僕とは違い
皆諦めていないのだと誰かが言っていた
『例え裕福じゃなくても今日を生きれた事に感謝し明日の先を観る希望の糸を己の手で手繰り寄せるそれだけで世界は変わる…』
それでも全てを諦めてしまった今の僕にはその言葉の意味さえ何も分からなかった
生きる意味も存在している意味も僕に関連する人・モノあらゆる事柄に意味を見出だせていないから
・・・・・
だって僕は世界の外側にいる
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