第一章 僕の存在

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彼女から火花が飛ぶときのバチバチと言う音が聞こえた その時初めて彼女が機械人形〈ドール〉だと知った ドールとは少子高齢化に伴った労働者の低下の穴埋めに創られた存在だが本当の事を言うと2番街のキリスアノ区域の裕福な家庭のアクセサリー見たいなモノらしい より多くより綺麗に着飾ったドールを所有することでその家の価値が決まるとか庶民には贅沢な話だが僕にはその辺の雑草よりどうでもいい話だ そんなことより彼女をどうするか僕は迷った 死んだ彼女ならこのままゴミ捨て場にあってもなんの問題もない ん?機械は死ぬではなく壊れたなのか?まぁいいか ドールなら幾らでも安いモノは売られている でも僕はドール等に全く興味がない 彼女でなければ意味がない なら何をすればいい? 僕には分からない でも彼女の体は冷えているんだ 冷えたままだと病気になるなら……暖めてあげたら治る? ……………まぁいいか いつの間にか雨はやんでいた 灰色の分厚い雲が僕を見下出している まるでバカにしているように でも僕は多分バカじゃないから関係ないけど 僕は雨に濡れてる傘を折り畳んでゆっくりとその場を立ち去って家に帰ることにした
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