第一章 僕の存在

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家の明かりが見えてきた 何を思うでもなく玄関の壁に備え付けてある青いボタンを押す すると自動的にドアが横にスライドする 「…ただいま」 あまりしっくりこないこの言葉 5年経っても慣れることはなかった だって今の僕が帰るべき場所ではないから僕じゃない本当の僕 5年前以降の僕 市ノ瀬空が帰るべき場所だから それでも家族は笑って今の僕を出迎えてくれる だが今日は違った 「今日は遅かったのねぇ~おかえりっ?!」 笑顔だった母さんが引きった顔になりながら出迎えてくれた 「……なに?」 「そっその背中に居る女の子はんーっと誰かな?」 「……知らない」 「えっ?知らない???」 母さん困惑 (まっ…まさかこの子ゆっ…………ゆっ……誘拐してきた?!Σ( ̄皿 ̄;;イヤイヤそれはない!それはない!とは言い切れない訳で……でもほら何か理由があって…そうよ!!道端に倒れてた~(*´∇`*)とか他にはえーっと怪我人とか?そうよそうに決まってる!!!でもでもウチの子に限ってそんな…ねぇ…?ああでも本当だったら逮捕?!!それで電子新聞にババーンと報道されて裁判沙汰に!!!) (えっあっどっ……どうすればっ?!!(゜ロ゜;) 「さん……母さん」 「へっ?」 「上がれない」 「あっごめんねぇ」 フリーズしてた母さんが一歩壁側に移動したのを確認してから雨でグジョグショになった靴と靴下を脱いで家に上がった 「あのねぇ空その後で話聞いてもいい……かしら?」 「?……うん」 よく分からないけど話がしたいらしいがそれより僕が聞きたい事を母さんに尋ねた
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