二十歳の決断

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友達とは10時に別れた。 今日はセイは友達と隣りの県の有名な岬まで走りに(車で)行くと言っていた。 車を購入したばかりで遠出したかったらしいから私が出掛けるのは丁度都合が良かったらしい。 私は今日は初めからセイの家じゃなく自分の家に帰る予定だったので姉の住む家に帰った。 姉ちゃんにタカと会った事を話した。 姉ちゃんも驚いていた。 姉ちゃんはセイの事を気に入っていた。 かつて兄ちゃんがタカの事を気に入っていた様に…。 このまま何事もなくセイと付き合いを続けずっと仲良く毎日を過ごしていく事を姉ちゃんはいつも口にし、願ってくれていた。 だけど姉ちゃんは私がどれくらいタカの事を想っていたか… どんな想いでタカに対する気持ちを封印したか知っていたので私の気持ちを最優先に考え助言してくれた。 『ゆうがタカに会って気持ちが揺らぐんも分かる。 だからってセイの事ないがしろにするんはどうかと思うよ。 だけど今気持ちが揺らいだままセイと一緒にいても失礼に当たるわな! ちゃんと自分の気持ちにケジメ付けてないからこんなんなるんや… ゆうがタカともう一度やり直したいって思ったとしても、それは人の気持ちやから仕方ない事や… 自分が後悔せんように… ちゃんと前向ける道を自分で決断せなアカンよ。』 私は返事だけして姉ちゃんの言葉の重みを感じタカに連絡をとった。 タカは仕事が終わったら家に来るという。 姉ちゃんに迷惑は掛けれないから家に招き入れる事は出来ないと思った。 私はタカが仕事を終え家に来るだろう時間を見計らって表へ出た。 5分程してタカがバイクでやって来た。 タカも家で話す気はなかったのだろう… 私にヘルメットを手渡した。 バイクは私を乗せて走り出す。 1月の夜風は凍える程寒かった。 会話もなくバイクは走り続ける… バイクが停車したのはある町の築港だった。 寒くて寒くて凍えそうな身体を自動販売機で売られる暖かい紅茶がほんの少し温めてくれた。 寒い方が気も引き締まってちゃんと話が出来るかも… 私は自分の気持ちを自分の中で整理始めた…
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