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2人で海を眺めていた…
何から?何を?
話していいのか分からず言葉を探していた…
タカも何を考えているのかずっと真っ暗な海と遠くに見える夜景を見つめている。
私は…
自分の今の気持ちに問い掛ける…。
今からの自分はどうしたいのか?
タカとヨリを戻したい?
…それは『NO』だ…
私はタカの横に居続ける事は望んではいない…。
私はかつてタカと付き合ってる頃、ガキながら本気でタカとの結婚を夢見た程、タカの事を愛していた。
タカにヨリを戻したいって言われた時も族辞めるまで待っててくれと言われた時も天にも昇る様な気持ちで舞い上がっていた…。
だけどいつも…
神様の悪戯と言えば神様は怒るかもしれないが、お互いの気持ちが通じ合っていたにも関わらず平行線に並ぶ事はなかった…
いつもすれ違っていた…。
きっと私とタカは結ばれる運命じゃないのだと思い知らされた。
タカに対しての気持ちをノーマルに変える事はきっと出来ないだろう…。
だけどタカとの関係を付き合っていた頃の2人に戻す事は不可能だと…
私はそう悟っていた。
そんな風に冷静に考える自分は確かにいるのにタカの姿を見るだけで気持ちが動揺する…。
『俺…マジで待っとってくれるもんやと勝手に思い込んでたわ!
自分が好きやからとか自分の勝手でパクられたのにしゃあないわの~…』
タカがいきなり小石を海に投げながら話し出した…
『ゆうが幸せやったらええかぁ!思ってたんやけど目の前に現れたらどうしても聞きとうなってしもて…
無理強いしてスマンかったの…』
私は返事さえ出来ずに聞いていた…
『俺とゆうはもうダメなんかもしれんな…
今回と言う今回こそ…
何かそんなきがして来たわ!
元々別れる原因作ったんは俺やし…
しゃあないわの~…』
タカは…
私と同じように考えてるのかもしれない…
私は自分の気持ちも素直に話さなきゃいけないと分かっているのにずっと
言葉が出ずにいた…。
頬に何かが当たる…。
雨が降って来た…。
少々の雨なら我慢は出来たのだがどうやら本降りになって来た。
急いでバイクにまたがり雨を凌ぐ場所を求めた…。
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