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タクの家に戻る。
何だかファミコン大会になってた。
『おかえり。』
みさが出迎えてくれる。
『みさ…私タカの事気になんねん。振られたばかりやのにウチおかしいよな…?』
『何で?』
『昨日まで好きやったんやで…いきなり振られたからって違う人好きになるって…』
『ええんちゃうの?人の気持ちやそんなもんかもしれんよ。ゆうちゃんが好きやと思うんやったら素直になればいいやん!』
『素直になってもええんかなぁ…何か怖いわ!』
『実はみんなあの2人は何かあるぞ~とか言うてるで。みんな応援してるんやから頑張ってみたら?』
みさに背中押されまくりました。
夕方になってタクもバイトだしみさも家の用事があるって事でお開きになった。
家に帰ると兄がいた。
『お前いつこっちに来たんや?』
一声目がそれかよ!
『昨日…』
『お前帰る気ないやろが!』
意味深な笑みを浮かべ兄が私に問いただす。
『やっぱこっちにおりたいな…!』
『こっちに戻って来てどうするんや?こっちの学校通うんか?』
『働く…父ちゃん許してくれんやろ…多分…』
『俺が一緒に説得してやろうか?』
『マジで?』
『うまい事いかんのは初めから分かっとったしの。』
実は父は再婚をしたんだけど私と一回りしか変わらない若い人が義母になっていた。
正直一緒に住んでるのは苦痛だった。
兄はそれが苦痛だから逃げて来たのだと思ってたらしい。
『頼むわ。兄ちゃん頼りにしてるで!』
『はいはい!』
私は完全に父の住む家に帰る気は失せてしまっていた。
わがままな娘でごめんね…
心で罪悪感は感じていたけど。
でも兄ちゃんに感謝。
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