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愛着ある地元の駅に到着するなり、彼の学校へと急いだ。
今なら下校時間にまだ間に合う…
そう思ったからだ。
学校に到着するとパラパラと下校している生徒がいる。
『もう帰ったのかな…』
そう思いながら暫く待つ事にした。
何分か待ってると私の名前を呼ぶ声が聞こえた。
振り向くと…彼がいた。
彼の後ろには申し訳なさそうに立ちすくむ私とは全然タイプが違う可愛い女の子がいた。
『この子なんだ…』
そう思うのと同時に彼が口火を切った。
『俺はこいつを守っていきたい。
本気で好きなんや。
許せへんのやったら気が済むまで殴ってもええから…
俺と別れてくれ』
頭を下げながら彼は懇願して来た。
私は…
あれだけ腹が立って嘘だと思いたいって願ってたはずなのに…
そんな彼の姿を目の当たりにして
『もういいや』
って思ってしまった。
挙げ句の果てに
『彼女…私みたいに泣かしたらアカンよ』
なんて言葉かけちゃったりして。
けど正直な所本気でそう思ったんだよね。
投げやりになってとかじゃなくて、そんなに好きなら幸せになって欲しいって思えたんだよ。
泣いて縋るよりはかっこよかったんじゃない?って自分で自分を褒めたい気分だった。
けどいざ一人になると泣けました…。
後悔じゃないけど泣きたい時は素直に泣いて取りあえず気持ちの整理に励んでみた。
すぐに気持ちの整理は無理だって…
…ってこの時は思っていたんだ…。
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