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キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴るとともに
守は啓太に挨拶を交わし教室に戻った。
守の席の周りからどんどん人が離れていった。
2限目は世界史だ。
「さっきは席動かせちゃってごめんね。」
老人の先生が文章読んでる中
遥は横の守にこっそりと声を掛けた。
「別にそんなに気にしてないからだいじょうぶだよ。」
ここで「困ったよ。」と言っても仕方ないので
当たり障りのない言葉で答えた。
「今度は私が動くから。」
遥は自分のせいで横の席の守が困ったのを感じてこのような言葉を掛けた。
守はこの時
【可愛いし健気で優しいコだなぁ。】
と素直に思った。
「ありがとう。」
「全然いーよいーよ。」などといった優しい言葉を掛けられない自分が情けなくなりつつ言葉を返した。
2限目の世界史は
先生が淡々と教科書を読みつつ板書をしていく感じの授業で
寝てても怒られないような授業だった。
この時間は寝る時間だと決め込んでいる守は
いつものようにペンを片手に肘をつき寝る体制に入った。
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