なにわの恋の物語

ただいま

引っ越し屋に見積もりをとってもらうとすぐに段ボールがたくさんやってきた

私は無心で段ボールに荷物を詰めた

和夫との思い出のものは全て捨てて

時々肋骨がずきずきと疼く。ヒビでも入ってるのかな

引っ越しの合間に大阪に電話をした

『もしもし、お母ちゃん？私今週末に大阪帰るわ』

『珍しいね、ふうちゃん。何日くらいおるの？』

『ずっと…東京から大阪に帰ろうおもて。あかん？』

『ええ？あかんことあるかいな。好きにしたらええ。あんたの部屋はちゃんとおいとるから』

『じゃあまたお世話になるけど…よろしく』

お母ちゃんは理由は聞かなかった

私がもどってくるなんてただ事だとはおもってないはずだ

でも聞かなかった

私は嬉しかった