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 そういえば、珍しく昨晩に夢を見た。小さかった頃の夢だった。友達がいて、僕がいて、今では到底叶わない光景がそこには浮かんでいて、元気に走り回る僕たちを、僕は端から見ているだけ。  あの夢のなかに僕は二人いて、もう一人の僕は、僕に気付く事なく楽しそうに遊んでいる。  そういえば、昔は僕にもたくさんの友達がいた。たくさんの友達がいて、毎日のように走り回って遊んでいたっけな。  そんな日々を羨ましいのかと問われれば、分からないとしか答えられない。一緒に遊びたいのかと問われても、恐らく僕は首を縦には振らないだろう。  それは意固地になっているからではない。こんな夢を見たからといって、夢のように遊ぶことを望んでいるわけではないのだ。羨ましむ気持ちも、年月を重ねるうちにどこかへ行ってしまったのだろう。錆び付いていったのだろう。  そして、気付いたら一人だった。独りになっていた。  あれだけ親しかった友人たちは、今では誰一人として僕を訪ねては来なくなっていた。  進級を重ねるごとに、彼らの記憶から、僕は劣化していき、忘れられていったのだろう。
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