そんなこんなで始まりました

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 食事制限がなくなった。  塩分やら糖類やらタンパク質がどうとかっていった制限がなくなり、あれだけ口うるさかった人達が、何も言わなくなったのはとても嬉しいかぎりだ。  代わりといっちゃあなんだが、処方される薬の量の増加と右腕に巻かれた青白い腕輪、そして余命がプレゼントされた。  医者はなんだか難しい言葉で医学の進歩がどうとか言ってはいるのだが、『死を待つための部屋』。その言葉が僕の脳裏を過ぎるのは、ある程度常軌に乗った流れなのではないだろうか。  『最上階』と他の違いは、窓があまり開かない事。他にはそれほどまで、造形に大きな違いは見つからない。しいて違いをあげるならば、人通りが極端に少ないことだ。  人の気配が、あまりにも少ない。それを除けば、少しだけ遠くの景色が見渡せるようになったくらいのものだ。他には変化という変化は感じられない。  なんというか、代わり映えしないな……。  このあたりが僕の、このフロアに対する最初の印象だった。
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