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「……死に神?」
「そうですね。死に神、NO.841号。面倒臭いので『やよい』とお呼びくださいな」
開口一番、自称死に神であらせられる彼女は、僕にそう名乗った。
カラカラと笑うその表情は、僕のイメージであるところの死に神とは掛け離れていて、僕は、少しだけ戸惑いを覚える。
「あ、僕は……」
と、彼女が名乗ったのを思い出し、僕も慌てて口を開く。
「ん、知ってるよ。大河内大河くん、でしょ」
おう、まさかの正解、よくあるパターン。展開が速くて助かります。
「まさに名前負け!」
うるさい。気にしてるんだよ、ってか一番言われたくない言葉だ。
幽霊もどきから、自称死に神にランクアップしたやよいさんは、そのカラカラとした笑顔のままで、続ける。
「まあ、なんだ……、大河。不幸で不幸せで幸が無かったお前を、あたしが幸せにしてやんよ!」
……なんて、言いたい放題だな、おい。
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