2

2/6
前へ
/15ページ
次へ
「……死に神?」 「そうですね。死に神、NO.841号。面倒臭いので『やよい』とお呼びくださいな」  開口一番、自称死に神であらせられる彼女は、僕にそう名乗った。  カラカラと笑うその表情は、僕のイメージであるところの死に神とは掛け離れていて、僕は、少しだけ戸惑いを覚える。 「あ、僕は……」  と、彼女が名乗ったのを思い出し、僕も慌てて口を開く。 「ん、知ってるよ。大河内大河くん、でしょ」  おう、まさかの正解、よくあるパターン。展開が速くて助かります。 「まさに名前負け!」  うるさい。気にしてるんだよ、ってか一番言われたくない言葉だ。  幽霊もどきから、自称死に神にランクアップしたやよいさんは、そのカラカラとした笑顔のままで、続ける。 「まあ、なんだ……、大河。不幸で不幸せで幸が無かったお前を、あたしが幸せにしてやんよ!」  ……なんて、言いたい放題だな、おい。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加