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春めいてきた四月の初め。
多くの人々が何か終わりを迎え、そして始まりを迎えた春の、とある学校から物語は始まる。
『────そして私達はこの時を迎え』
その学校では、今まさに入学式の真っ最中。
代表と見られる新入生が挨拶を述べており、式は厳粛な空気の中で行われていた。
「(やばいな………ちょっと眠くなってきた………)」
式の途中にも関わらず、舟を漕いでいる一人の少年がいた。
茶髪に切れ長の目をしている、一般的な容姿の少年である。
彼は式の最初こそ周囲と同じく規律正しく座っていたのだが、今は椅子からずり落ちそうになっている。
「(うぅ、緊張で寝れなかったからなぁ………)」
意外と小心者である様だ。
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