入学式

2/7
前へ
/65ページ
次へ
春めいてきた四月の初め。 多くの人々が何か終わりを迎え、そして始まりを迎えた春の、とある学校から物語は始まる。 『────そして私達はこの時を迎え』 その学校では、今まさに入学式の真っ最中。 代表と見られる新入生が挨拶を述べており、式は厳粛な空気の中で行われていた。 「(やばいな………ちょっと眠くなってきた………)」 式の途中にも関わらず、舟を漕いでいる一人の少年がいた。 茶髪に切れ長の目をしている、一般的な容姿の少年である。 彼は式の最初こそ周囲と同じく規律正しく座っていたのだが、今は椅子からずり落ちそうになっている。 「(うぅ、緊張で寝れなかったからなぁ………)」 意外と小心者である様だ。
/65ページ

最初のコメントを投稿しよう!

259人が本棚に入れています
本棚に追加