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「それらが基本ということは、他にも存在しているのですか?」
「存在しますよ?ただ、貴方たちの中に現れるかは解りませんが。質問が以上なら座って下さい。答えは在学中に身を以て知ることが出来るでしょう」
教師は少女を着席させ、腕の時計で時間を見る。
そして手の内の手帳を確認すると、全員を立たせた。
「行きましょう、時間です。貴方たちの運命が待っていますよ」
意味深な事を呟く教師に少年は眉を顰めたが、周りの生徒達は興奮していて気にした様子もない。
少年もすぐに忘れ、自身の運命とやらに思いを馳せてみる。
―――――それこそが己の人生を大きく狂わせるとは露とも思わずに、ただ未来に期待していた。
その思いが脆くも崩れ去った瞬間から、少年は変わったのだ…………誰かが望んだ、歪んだ英雄の卵へと。
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