第0章 

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10年前、私が6歳の時、父は亡くなった。 事故死…だったそうだ。 詳しいことはよくわからないけど、お父さんは私の記憶の中でもすごく優しい人だった。 お母さんが私に紹介してくれた新しい旦那さんの真樹さんは、雰囲気がすごくお父さんに似ていた。 すごく優しそうで、 凛として、大きくて、 なんとなくお母さんが真樹さんを選んだ理由が分かった気がした。 私は今まで、お父さんがいなくて嫌な思いをしたことがなんどもあった。 幼い頃、デパートでお父さんにお人形をねだる同級生の姿に嫉妬したこともあった。 母子家庭といって中学校で紙を恥ずかしく貰ったこともあった。
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