聖獣が子

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西暦1542年 九州 肥後国 「生まれたかっ!!」 梅雨空に濡れ静寂な雨音が包んでいる 御船城の本丸に声が響き渡る。 声の主は鎮西にその人有りと 言われた名将 甲斐宗運。 輝幸の父であり、 肥後 阿蘇一帯を支配する 大名 阿蘇氏の重臣である。 「元気な男の子(おのこ)にございます。」と報告する侍女をそっちのけ、 宗運は真っ直ぐ赤子の声が する方へ飛んでいった。
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