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それから壱野は、何かに取り憑かれたように、何度も何度も同じ順序で箱を見続けた。
白い傷は徐々に大きくなり、それは傷口のようにパックリ開き始める。
壱野は恐かった。
その奇妙な箱がどうなるのか。
しかし、好奇心が勝っていた。
傷口から、何かが吹き出てきても、箱を見ることを止められなかった。
赤く黒い、まるで血のようなそれが吹き出てきても、見続けた。
いつの間にか、部屋の扉は開いていたのに、それにさえ気付かず。
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