504人が本棚に入れています
本棚に追加
席は窓際の一番後ろだった!ラッキー!
あまり人目につかない場所であることは間違いないだろう。
徐々に席が埋まっていって、隣に座ったのは金髪の剣を帯刀した少年だった。少しそばかすがあるような気がしなくもない(まだ顔を直視する心の準備ができていない)。
魔法学園に剣とは不似合いそうだったが、そういえば実技の科目に剣があるのだし、今時スタッフを持ち歩く魔法使いもいないだろうから、そこは常識の範囲内の使い方をすれば問題ないのだろうか。
「ねぇ」
「!?」
不意に声をかけられてびくりとする。例の隣の席の少年である。
「君、新入生だよね?--あ、中等部からの進学ではないってこと」
「そ、そうだけど」
「よかった!僕はエリオット。エリオット・ガーデン。同じく高等部からなんだ。よろしく」
「よ、よろしく……」
俺はめちゃくちゃにどもりながらもエリオットの手を握った。
後日彼の言うところには、俺は怯えまくる小動物のようだったとのことだ。
最初のコメントを投稿しよう!