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入学早々追試験なんてアホなんじゃないだろうか?
とにかくアイシャなんかに聞かれたら一生馬鹿にされそうだ。
俺は目の前の答案を眺めた。
学園の主な科目は呪文学、地理学、数学、魔獣学、魔法史学、印象学、占い学、召喚学、現代史学、戦闘学、魔術学などだ。このうち、戦闘学と魔術学は実戦科目なので今回テストはしていない。
俺が壊滅的だったのは、呪文学と数学と召喚学。呪文学と召喚学なんかは一桁だ。それも名前が書けましたという先生の温情からの1点である。
俺がこれらの勉強ができないのはなぜか。それは今まで必要としなかったからである。
俺はなぜだか、呪文など唱えなくても魔法が使える。そのため長ったらしい呪文を覚えるのに脳のリソースを割くより魔獣の弱点を勉強するべきだった。
数学は学校特有の複雑怪奇な数式にお手上げだったが、公式を習えば解けるようになるはずだ。
召喚学は今まで純粋に召喚しようと思ったことがないのだから一からの勉強だ。何かを召喚している暇があったら戦った方が早いのだが、そもそも学園というのは一般教養を学び立派な魔術師になるために通うのであって、何かと戦うことを前提に学ぶものではないのだった。
今までの常識が通用しないため、別世界に来たような気分だった。
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