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悠「あ、そーだ。
蓮くん、1つ忘れてた…」
蓮「……何を?」
悠「今日、<山>が<林>と会談するらしい」
淡々と告げた佐々野に、夏目が不思議そうに首を傾げた。
晴「会談って……何で?」
悠「<林>は前々から<山>と休戦協定を結びたがっていたから。
今回初めて<山>が会談に応じたってことは……恐らく結ぶ気になったんじゃないかな」
その報告を受けた秋月は黙って頷き、腰かけていた椅子の背もたれにぐっと身体を預けた。
蓮「<山>だけは要注意だけど……あの国も、あまり戦争を好まないみたいだな」
晴「何でわかるの?
会ったこともないのに」
ごもっともな質問をした夏目だったが、佐々野はため息をついて説明する。
悠「いいですか、夏目さん。
確かに会ったことは無いし、名前も顔も知らないけど……<山>のリーダーと副リーダーは、共に特Aランクで<双属性>。
それはアンタも知ってるよね?」
コクコク頷いた夏目を確認して、佐々野は話を続ける。
悠「そんな連中が本気になれば、多分<林>の国なんかあっという間に制覇できる。
それなのに、闘いではなく協定を選んだってことは……」
晴「あぁ…。
だから俺たちと一緒なんだ」
悠「そゆこと」
この場に居る3人…特に夏目は、争いを嫌っている……<山>と同じように。
晴「じゃあさ、俺たちが<山>と協定を結べば、他の国も従うんじゃないの?
向こうも戦争したくない派でしょ?」
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