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その言葉に、秋月と佐々野は目を丸くして顔を見合わせた。
蓮「どうした夏目ちゃん…今日はエラくいいとこ突いてくるじゃん」
晴「俺だってそれくらい分かるって!
ねぇ、何でー?」
急かす夏目に、秋月と佐々野は目配せをして、佐々野が口を開いた。
悠「もちろん、夏目さんの言うとおりだし、俺たちだってそれを考えたよ」
蓮「でもさ、よく考えろよ。
俺たちは<山>のトップ2人の名前・顔・属性…何も知らない。それは向こうも多分同じで、俺たちの情報は一切無いはずだ」
悠「何の情報も無い国と、いきなり協定を結ぶと思う?
しかも今の時代じゃあ、誰かが国境に近付くだけでも殺気立つ。接触するだけでも大変になるんですよ」
2人の丁寧な説明に、夏目は納得したように何度も頷いた。
晴「なるほどね~、ありがと!分かった!と思う」
蓮「…ま、とにかく。
<山>と接触を試みるのは多分最後になる……まずは<火>の国だな」
悠「<火>も、<林>が動き出したことで焦ってるみたいだし……とりあえず接触してみるよ」
佐々野はそう言うとすぐ、準備として部屋を出て行った。
蓮「夏目ちゃんは…今日はどの辺を回る?」
晴「ん~、<林>との国境近くの、あの村に行こっかな」
蓮「あぁ……あの人里離れたところ?」
晴「そっ。10人ちょっとしか住んでないんだけど、みんないい人たちなんだ」
笑顔で言う夏目に、秋月はクスッと小さく笑った。
蓮「夏目ちゃん、やっぱ凄いな」
晴「ん?何が?」
蓮「いや、何でもない。
じゃあよろしくな」
晴「うん。じゃあいってきまーす!」
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