崩された日常 ~<山>side~

2/13

499人が本棚に入れています
本棚に追加
/195ページ
 <山>の国で、すっかり日が落ち柔らかな月明かりが照る頃。  天野は本拠地の屋根に登り、1人国を見下ろししていた。  副リーダーの朝倉は、<林>の国との会談の為、2人の部下を連れて<林>まで赴いて行った。  ふぅ…というため息が、寂しく夜の空気に消えていく。  天野はただひたすら、敵地である<林>へ赴いた朝倉を心配していた。  すると、その時。 『……ッ…、』 『……、!』  不意に下の方が騒がしくなった。 蒼「何だ……?」  妙な胸騒ぎを感じ、天野はバッと屋根から飛び降りた。  けっこうな高さだったが、天野にとっては何のことはない。  この時には既に……。  <山>始まって以来の、未曽有の大事件の幕は上がっていた……。 、
/195ページ

最初のコメントを投稿しよう!

499人が本棚に入れています
本棚に追加