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<山>の国で、すっかり日が落ち柔らかな月明かりが照る頃。
天野は本拠地の屋根に登り、1人国を見下ろししていた。
副リーダーの朝倉は、<林>の国との会談の為、2人の部下を連れて<林>まで赴いて行った。
ふぅ…というため息が、寂しく夜の空気に消えていく。
天野はただひたすら、敵地である<林>へ赴いた朝倉を心配していた。
すると、その時。
『……ッ…、』
『……、!』
不意に下の方が騒がしくなった。
蒼「何だ……?」
妙な胸騒ぎを感じ、天野はバッと屋根から飛び降りた。
けっこうな高さだったが、天野にとっては何のことはない。
この時には既に……。
<山>始まって以来の、未曽有の大事件の幕は上がっていた……。
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