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「急に突風が吹いて……あまりの強さに目を瞑って、風が止んだ時には……子どもたちが消えて、この紙があったと…」
蒼「……何だって…?!」
俺の脳裏に、今日の昼に会ったばかりの子どもたちの顔が浮かんだ。
「っ…リーダーッ!!!?」
ザッと足を踏み出した俺に、周囲がざわついた。
蒼「行ってくる……ここは頼んだ」
「ですがッ……1人なんて危険すぎます!」
「そうですよ!何か罠があったら…!!」
蒼「それでも!!!!!」
騒ぎ出す仲間たちに、俺は大声をだした。
すると皆、一気に静まり返って……俺はそんな皆を振り返って、落ち着いて言った。
蒼「それでも、俺は行くよ。
絶対に誰もついて来るなよ?
まだ何か起こるかもしれないから、とりあえず警戒して、もしもの時に備えててくれよ」
「でも…リーダー…」
蒼「俺は大丈夫……咲くんが帰ってくるまでは、みんな待機しとくこと。
その後は、咲くんの指示に従って」
その後もみんな何か言っていたけど、俺は大丈夫だからと言って走り出した。
何だかんだ言いながらも、ついてくる人はいないみたい………良かった。
蒼「咲くん……ちょっと行ってくるよ」
嫌な予感が収まらない。
きっと……何かが起こる。
でも、俺がやるべき事は、あの子たちを助けることだろ………咲くん?
蒼「無事でいてくれよ……!」
祈るように呟いて、俺は<山>の国の中でも全く人気のない、北の外れの林に向かって走った。
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