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{{朝倉視点}}
咲「な……何だって?!」
ようやく会談を終えて、国に帰って来た俺を待っていたのは、思いもしなかった報告だった。
咲「それで、蒼くんは?!」
「自分が行くから、と……我々の制止を振り切って、行ってしまわれました…」
咲「……っ」
明らかに罠だ。
何者かは分からないが、蒼くんを誘き出す為の罠にしか思えない。
子どもたちを、そのための道具にするなんて……!
咲「……蒼くんが向かったのは、何時?」
「今から……1時間ほど前です」
遅すぎる……何かあったんだ…。
「あ、朝倉さん?!何処へ…!?」
咲「俺が行く……犯人に気づかれないように向かうから、1人でいい。
第1・第2小隊は、本拠地に残って……もしもの場合に備えろ。
第3小隊は俺が向かってから15分後、俺の後を追え……<癒やしの一族>の者も一緒に向かってくれ。
その他の小隊は、引き続き国境付近の守備を固めろ。
以上……皆、気を引き締めてけよ!」
「「「「「了解しましたっ!!!!」」」」」
早口に指示を出し、俺は速攻で北へ走り出した。
蒼くん……無事でいてくれよ…!!!
目をつぶってそう心で祈って、自分が出来る限りのスピードで跳躍した。
空では、国を柔らかく照らしていた月に、雲がかかり始めていた。
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