崩された日常 ~<山>side~

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『お前ッ……おい!!!』 蒼「咲くっ………あの子たちをっ!」  両頬に傷のある男が、結界を張る男を振り返ったから……俺は慌てて咲くんに叫んだ。 『っ……な、どういう事だ!!!?』  結界を張る男の、慌てた声が届いた。  目が少し霞んでて、上手く見えないけど……薄緑の結界に、ヒビがはいっている。 『どうした?!』 『内側からッ……結界が破られる…!!!  お前、風の<力>を……?!』 『さっきのは炎の<力>……あんたが副リーダーの…』  男が言い終わる前に、何かが割れるような乾いた音が響いた。  直後、結界を張っていた男もまた火柱に包まれて……消えた。  ヤバい……気がする。  後ろ姿しか見えないけど………咲くん、相当キレてる…!!! 咲「……全員、許さない…!!」  咲くんが普段よりも一際低い声でそう言うと……残っていた2人のうち、後ろにいた男が怯えたように走り出した。  でも、咲くんは逃がさなかった。  他の3人と同じように、火柱が上がって……何も残さず消えた。  残ったのは、両頬に傷のある男が1人。 『くっ…そがあぁぁあぁ!!』  男は怒鳴りながら、<力>を使って腕を氷で包み剣のように形を変えて、咲くんに向かって走り出した。  でも、動きが遅い。  咲くんは一瞬で男の背後に回り、男の首を背後から右手で鷲掴みにした。 、
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