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{{天野視点}}
蒼「ん……ぅ」
身体が重い……。
俺はダルい身体に眉間にシワを寄せながら、ゆっくり目を開けた。
咲「蒼くん……起きた?」
蒼「ん……俺、どんだけ寝た?」
咲「まだあれから1日しか経ってないよ」
隣についてくれていた咲くんは、ホッとしたように俺を覗き込んでそう答えた。
その言葉に、ズキンと胸が痛んだ。
あれが夢だったら、なんて考える自分が情けなくなりながら苦笑する。
蒼「まだ、って……。
…俺、丸1日も寝てたのか」
咲「仕方ないよ。
死にかけたんだから」
蒼「……ごめんな、咲くん」
俺は小さく謝った。
あの時、咲くんを暴走させてしまったのは間違いなく俺だったから。
咲くんは昔から、俺が傷つけられたりした時に……我を忘れてしまう事がある。
暴走して、相手を殺して。
我に返った時に、後悔する。
何て残酷に殺してしまったんだろうって、優しい彼は自分を責める。
咲「蒼くんが謝る必要はないよ。
………俺…、蒼くんが血まみれで倒れてるの見た瞬間、頭に血が昇ってさ…」
蒼「うん……」
咲「頭真っ白になって……本当にごめん」
蒼「……何が?」
咲「殺さないで捕らえておけば……何か情報が得られたはずなのに、俺が突っ走ったから…」
その時の咲くんの表情を見て、俺はまた嫌な予感がした。
それに、やっぱり様子がおかしい。
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