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{{朝倉視点}}
あの時、駆けつけた俺の目に飛び込んできたのは、血まみれで倒れる蒼くんと、その腕の中の動かない子ども、結界に閉じ込められてる子どもたち。
一瞬で、何があったのか理解できた。
頭が真っ白になって、全員…あんなやり方で殺して。
殺しておいて、少しだけ後悔していた所に"ありがとう"の言葉。
蒼くんの治療が済んで、ほっとしている間にも、国中に情報が広まって。
各地で戦争を叫ぶ運動が起きて、興奮した国民を落ち着かせて周るうちに、気づいたら仲間も戦争を叫びだして。
もう止められない事を痛感した。
<林>とは協定を結んだ。
これを足掛かりに、<火>や<風>とも協定を結ぶはずだった。
咲「……守りたいから……か」
蒼くんが戦うと決めた時点で、俺の選ぶ道は決まっている。
命を懸けて、彼についていくと決めたから。
咲「俺……弱いなぁ…ほんと」
争いを何より嫌う蒼くんが、戦うとはっきり言った。
それは彼の強さ。
俺も、決めなきゃ。
頭の中で、たくさんの人を思い浮かべる。
俺たちを信じてくれる国民、ついてきてくれる仲間、そして…リーダー。
咲「………戦うよ、蒼くん…」
俺はゆっくり目を閉じ、誓った。
守ってみせる。
命に替えても……必ず。
――――――――――――
こうして、<山>は戦争を決めた。
世界を巻き込んだ歯車から生じた事件。
この時、ほぼ同時期に、<風>でも……悲しい事件が起こっていた事など。
<山>には知る由もなかった。
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