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{{夏目視点}}
晴「じゃあ、また来るからねー!」
「またねぇ、晴にぃちゃん!!」
「また来ておくれねぇ」
日が暮れかけて来て、俺は村のみんなに手を振って来た道を戻り始めた。
暗くなったら道が分からなくなっちゃうからね…。
晴「みんな元気そうだったなー…」
村人は、俺の記憶よりも少なくなってて9人しかいなかった。
爺ちゃんが2人、婆ちゃんが3人、2人の子どもがいる夫婦がいて、9人。
自給自足って大変でしょ、と聞くとみんな頷いて……だったら街に引っ越そうよってまた提案したけど、村人の答えはいつも一緒。
『私たちはここに生まれて、ここに死ぬと決めているんだよ。
先祖が大切に育てたこの畑も、守っていきたいからねぇ…』
少し残念だったけど、そう話す時のみんなの笑顔を見てたら、それが一番なんだって伝わってきた。
秋蓮にも、そう報告しよーっと。
晴「少し暗くなってきたなぁ…急ご」
雲が出てきて、夕方なのも重なって大分暗くなってきていた。
俺が足を早めた………その時。
晴「っ?!」
ピタッと身体が自然と止まった。
何だろう……今、何か聞こえた?
晴「気のせい……かな…」
そう思って、再び歩き出そうとした時。
晴「っ!!!?…<力>…?」
急に、少しだけど<力>の気配が感じられた。
晴「……まさか、?!」
嫌な予感がして、バッと振り返ってみると……村がある位置から、煙が出ていた。
それを見た途端、村に向かって俺は<力>を解放して跳躍した。
どの<属性>の<力>でも、足から<力>を放出させれば、大きく跳躍できたり速く走ったり、宙に浮くこともできる。
俺は焦りでいっぱいになりながら、村に向かって跳んだ。
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