崩された日常 ~<風>side~

5/10

499人が本棚に入れています
本棚に追加
/195ページ
――――――――――― ――――― ―― 晴「はぁっ、はぁ……何だよこれ…!?」  村に着いた俺は……立ち尽くした。  俺が異変に気づいた時より、大きく黒々とあがる煙……。  その原因は……  ―――――村が、燃えていた。  連なっていた4つの家が、炎を上げて燃えていて。  爺ちゃん婆ちゃんが大切に……大切にしていた畑には、大きな穴が空いてて、そこからも小さく煙が上がっている。  何だよ……どういうこと……? 「……はる…にーちゃん……?」 晴「っ!!勇太(ユウタ)?!」  小さく小さく聞こえた声に、バッと後ろを振り返ると、森の入り口の木の陰に、村人の2人の兄弟……勇太と光太がいた。  まだ小さい兄弟だけど、兄ちゃんの勇太が光太をおんぶしてて、光太は…動かない。 晴「どうしたの?!何があった?!」  急いで2人に駆け寄って、光太を勇太から下ろす。 晴「良かったッ……生きてる…!  勇太、何があったの?他のみんなは!?」 勇「うっ…ヒック……うわぁぁあん!!!!」  光太の無事を確かめてから、勇太の両肩に手を置いて聞くと、我慢してたのか糸が切れたみたいに泣き出した。 勇「みんな……あそこッ…!  …ぅっ…グスッ……火の……なかァ…!」 晴「な…んだって………っ!!!?」  この瞬間、俺は<力>の気配を感じ、俺たちを包む結界を一瞬で張った。  ―――――直後。  大きな轟音が響いて、真っ赤な光が襲いかかってきた。  あと一瞬でも遅かったら……死んでた。  今のは雷の<力>……、砂煙が舞い上がって視界が悪い。 晴「……っ誰なんだよ…!!」  警戒を強めながら、視界が晴れるのを待った。 、
/195ページ

最初のコメントを投稿しよう!

499人が本棚に入れています
本棚に追加