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晴「そ……な、何言って…!」
何言ってんだよ、って言おうとした。
でもその言葉は途中で消えていった。
俺たちの見ている目の前で、燃えていた家が、ガラガラと音をたてて……全部崩れ落ちた。
ウソ……でしょ?
俺の頭は真っ白になって……何も考えられなくなった。
俺ができたのは、泣いたままの勇太を俺の胸に押し付けて、この光景を見ないようにしてやるだけだった。
悠「っ?!お前、!!!」
サノの声にハッとする。
残っていた雷使いの男が、一気に跳躍して…逃げようとしていた。
俺はもう他人事のように見ているしかできなかったけど……サノが即座に<力>を解放し雷を放とうとして……止めた。
跳躍して宙にいた男の真下の地面から、一瞬で木の根っこが地面を突き破り、男の身体中に巻きついた。
そして男はそのまま地面に叩きつけられる。
本当に一瞬の出来事。
こんな事が出来るの、1人しかいない。
蓮「逃がしゃしねぇよ…」
地の底から聞こえてきそうな低い声。
秋蓮……ちょー怒ってる…。
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