崩された日常 ~<風>side~

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{{佐々野視点}}  蓮くんの<力>の気配を感じて、放とうとしていた雷を収めた。  案の定、蓮くんは一瞬で男を捕獲した。  超お怒りモードで。 蓮「大人しく答えろ……。  何の為に、こんな事した?!」  蓮くんが男の隣にしゃがみこみ、倒れたままの男の髪を引っ張って、顔を上げさせて訊ねた。  男は……ニヤリと笑った。 『何の為なんざ……知らねぇな……。  俺はただ……命令に従っただけだ…』 蓮「誰の命令だ。  ……お前は何者だ」 『ふっ……ははははっ!!!  俺は<山>の人間だ!  だから……死ねぇぇえ!!!!』  男はおかしくなったみたいに笑い……そう叫んで<力>を一気に放出した。  いや、放出しようとした。  でも、それをする前に……男の身体は動かなくなった。  カチカチに、全身が凍ってしまったから。  そのまま蓮くんは容赦なく凍った男の身体を粉々に砕いた。 悠「蓮くん……」 蓮「……<山>は……俺たちと同じなんかじゃ、なかったんだな……」  小さな、感情を抑えた声に……蓮くんの気持ちが痛いほど伝わってきた。  蓮くんと一緒に駆けつけ、後方に控えていた部下たちが、次第にざわざわと騒ぎだす。  何で、こうなる……?  何で、関係のない人々まで……。  そこで俺は、ずっと地面に膝をつき、子どもを抱いたまま呆然としている夏目さんの隣にしゃがみこんだ。  結界は、いつの間にか解かれていた。  そっと、後ろから夏目さんの肩に腕を回す。 晴「……え?」 悠「夏目さん……泣いていいよ」  泣いていいんだよ。  あんたは、泣いてなきゃ。 、
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