499人が本棚に入れています
本棚に追加
/195ページ
{{秋月視点}}
信じられなかった。
《<山>から来た》
それだけで充分だった。
<山>から来た、つまりは<山>からの奇襲。
宣戦布告……ってことだろ?
俺がそんなことを考えていると、サノが夏目ちゃんの側に行って、何かを話していた。
サノも……夏目ちゃんも。
きっともう分かってる。
すぐそこにある、って。
もうすぐ掴めるって思っていた"平和"は……ずっと遠くに行ってしまった。
誰にも傷ついて欲しくなかった。
だから戦争を避けてきた。
誰かを傷つけるのも、嫌だった。
でも、向こうが俺の大切なものを奪いにくるっていうなら。
<山>がそのつもりなら。
蓮「……そんな事、させねぇ……」
受けて立ってやるよ。
俺は、俺の大切なものを守る。
たとえ、多くの人をこの手で傷つけてでも。
これ以上、大切なものを……国民を、仲間を、<風>を……傷つけられてたまるか。
俺がぎゅっと拳を握った時、サノが俺に視線を向けてきた。
何となく、何が言いたいか伝わった。
夏目ちゃんは任せたよ、サノ。
俺はサノに頷いて、後方に控えている部下に指示を出すため歩き出した。
―――――――――
――――――
、
最初のコメントを投稿しよう!