憂鬱な朝

4/9
前へ
/195ページ
次へ
蒼「おはよー咲くん」 咲「おはよ…」  ゆっくり身支度して朝食を取りに行くと、珍しく朝から元気な蒼くん。  普通に挨拶を返したハズが、蒼くんはすぐに心配そうな表情を向けてきた。 蒼「咲くん……また寝てねぇのか?」  そう、最近は戦争の準備のせいで、眠る暇もないくらい忙しい。  毎日毎日朝から晩まで、大量の書類に囲まれ、更には戦術なんかも考えて……脳みそフル回転。  でも、今朝は久々に眠る時間ができたんだ…………けど。 咲「いや、ちゃんと寝たよ……」 蒼「……ウソだ」 咲「本当だよ?  ただちょっと……嫌な夢見ちゃって」  事実、見たくない夢だった。  3年も前に、いきなり居なくなった恋人の夢なんて………。 蒼「…咲くん、今日くらい休んで。  出来る限りは俺がやるから」 咲「大丈夫だよ、大丈夫だからっ!」 蒼「でもっ…」  蒼くんはまだ気にしていたけど、俺は大丈夫とだけ言って、朝食を受け止りに歩き出した。  ……正直に言うと大丈夫じゃない。  明らかな寝不足で頭痛もしてる。  だから蒼くんの好意はすごく嬉しいんだけど…。  でも、今日は。 咲「ちょっとでも休んでたら……あいつの事、考えちゃうよ…」  だから、脳みそフル回転で仕事していたい。  バリバリに頭働かせて明日になれば、きっと夢の事なんか忘れてるハズだから。 咲「あれは過去……。  今に集中しろー俺っ……!」  誰もいないのを確認して、小さく自分に気合いを入れて、蒼くんの隣の席で朝食を取るため歩き出した。 、
/195ページ

最初のコメントを投稿しよう!

499人が本棚に入れています
本棚に追加