憂鬱な朝

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咲「準備は着々に進んでる。  恐らく5日後には、全ての準備が完了するけど………どうする?」 蒼「どうするって、何が」  ぷしゅう、と自分の空気が抜ける気がした。 咲「あの……よぉく聞いて下さい…」 蒼「はい、申し訳ありません…。  ……おねがいします」  ちょこんと跪きして頭を下げた蒼くんに、地図を取り出して説明する。 咲「あの事件から数えて、あと5日でちょうど2週間。  でも、準備ができた後の方が重要なんだ」 蒼「ん」 咲「戦争を始める合図としての布告状はもう出してあるけど……何時、何処で戦うかなんて決まってないんだ」 蒼「おぉ」 咲「俺が布告状を出してすぐ、向こうからも布告状が届いた。  多分、同じぐらいのタイミングで出してきたんだと思う」 蒼「へぇ」 咲「だから、多分準備が完了する時期は大体同じくらいのハズ。  一応、<風>が前々から準備していた可能性も考えてかなり急ピッチで進めはしたけどね」 蒼「お~」 咲「だから、まだこっちが準備の終わる前に攻められる事は防げる。  問題は、俺たちが攻めにいくのか、向こうが来るのを待つかってこと」 蒼「なるほど…」 咲「考えてみれば沢山のパターンがある。  奇襲のつもりで<風>に攻め入るのか。  向こうが来るのを迎え撃つか。  攻め入る途中で鉢合わせるのか…」 蒼「う~ん……難しいな…」 咲「<風>の情報といえば、リーダーが特Aランクで<双属性>、副リーダーがAランクで2人いるってことぐらい。  戦力は多分大して変わらない。  だから、戦術……作戦がものをいう」 、
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