決戦の日、交わす誓い

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蒼「それは……副リーダーとしての、誓い?」 咲「はい」  少し掠れた声に、朝倉は天野の戸惑いと迷いを察したが、助け舟を出そうとはしなかった。  それは、朝倉の決意。  朝倉は天野に対して、絶対の信頼を向け、絶対の忠誠を誓っている。  そんな彼の替わりに命を失うのならば……それでいい。  本望だ、と朝倉は考えていた。 蒼「……イヤだ」 咲「そ…、……リーダー?」  訝しむように僅かに顔を上げた朝倉。  天野は必死に言葉を紡ぐ。 蒼「咲くんは、確かに副リーダーだ…。  でも……でも、俺にとって咲くんは副リーダーなだけじゃない…  …初めての…親友なんだ……、  大切な、存在なんだよ…!!」 咲「それは勿論、俺だって…!」 蒼「だったら、さっきの誓いに……もう少し、付け足せよ…!  "親友として"の、誓い……!」  朝倉は今度こそ完全に頭を上げ、天野の目を見つめた。  次の言葉を真剣に待つ天野に、朝倉は逡巡した後、ふふっと吹き出した。 蒼「なッ……何で笑うんだよ?!」 咲「ごめん、ごめん。  ねぇ、蒼くん…。  俺、ちょっと勘違いしてたみたいだね」  いつものように笑う朝倉に、天野はふてくされたような声で言う。 蒼「命に替えてもなんて、言うなよ」 咲「……うん」 蒼「代わりに死ぬなんて、考えるなよ…」 咲「……うん。  ごめん蒼くん……  ……絶対、生きて帰ろう?」 蒼「絶対だからな……  生きて、一緒に帰るからな…!」  そして2人は、お互いに笑顔を交わし、パンッと手を叩き合った。 咲「……行こうか」 蒼「うん……あ~、眠くなってきた」 咲「蒼くん、殴るよ?」 蒼「じょ、冗談だって!」 、
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