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まだまだ明るさの残る夕方。
両軍は既に決戦の地である森に到着し、互いの気配を感じながら、その時を待っていた。
この日は、<山><風>共に情報収集を最大の目的としていた。
互いの敵国のトップの<属性>を知ること……その為のみの戦闘と考え、情報収集が完了した時点での撤退を考えていた。
軍も小さめに編成、大半は本拠地に残しての衝突である。
ピリピリした空気が、少し距離をおいて今か今かと待つ両軍に満ちる。
そして。
最初の衝突の火蓋が、切って落とされた。
ドォォォオン、という轟音が鳴り響いたのを合図に、戦闘が始まった。
最初に動いたのは<風>……今の轟音も佐々野の放った雷で、両軍の構えるちょうど間の位置に大きな雷を落とし、直後、軍が跳躍した。
蒼「おし……行くぞっ!」
<山>はそれを受けて、天野の合図で一斉に動いた。
だが、天野と朝倉は一番後方で気配を消しつつ跳躍する。
<風>の方でも、秋月と佐々野は後方で同じように……夏目は結界のみに集中するため、最初に待機していた位置で、姿を隠しながら佐々野の結界のみに集中していた。
そして、両軍が衝突した。
たくさんの軍人がそれぞれ跳躍した勢いのまま、衝突し合う。
雷、氷、炎、水、木、風。
様々な<属性>が、様々な攻撃に姿を変えて、ぶつかり合い交錯した。
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