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悠蓮「「っ!!?」」
突然、強い<力>の気配を感じたと同時に、目も開けてられないくらいの異常な大雨が降り注いだ。
雨と呼んでいいのか、分からないくらいの勢いで降り注ぐ……。
水の<力>…この強さは間違いなくあの2人のどっちかだ………動揺していた方では無理だ、もう1人の<力>だな。
その雨は数秒後にはぱったりと止み、
その時には既に、<山>の軍はいなくなっていた。
悠「……退いた、か」
ということは、<山>は俺たちの情報を集め終えた……?
ふと視線を巡らすと、何人かの、倒れて動かない仲間の姿が…、目に入った。
悠「国にきちんと……埋めてやろう…。
……誰か、担架を。
他に怪我人がいたら、今すぐ<癒やしの一族>から治療を。動ける者が手を貸してやってくれ」
自分でも驚くくらい冷静な声が出た。
眉間にしわが寄っているのに気づき、目を閉じて心を落ち着ける。
……これが、戦争だ。
大きく深呼吸してから、蓮くんを振り返る。
悠「……とりあえず、トップ2人の<属性>は把握出来た。
俺たちも、帰ろう…?」
蓮「……分かった。
撤退しよう…皆にも伝えてくれ」
蓮くんは、近くにいた部下にそう声をかけると……俺の方を向いて、俯きながら口を開いた。
蓮「……ごめん…サノ、」
悠「……そんな顔しないでよ。
大丈夫だから…とりあえず帰ろ?」
蓮くんのせいじゃないよ……。
そう言い聞かせて、俺たちはゆっくり歩き始めた。
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