■プロローグ■

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私は家族と共に暮らしながら見えない世界を必死に生きてきた。 どんなに辛くても死を選んだりしなかったし 家族や友達の支えもあって,他の人となにも変わらないぐらいの人生を歩めた。 見えない苦しさは,どんなに辛い事かも知ってる。 そんな事よりもこんな私でも幸せになれる事を信じて……いや信じ続ける事で自分を保ち続けていた。 母親「誕生日おめでとう!!蒼!」 今日は私が生まれて20歳の誕生日。 父親「おめでとう!!」 ロウソクの火さえ見えない。 それでも家族がいて お祝いしてくれる。 それだけで幸せだった。 海斗「蒼,20の誕生日おめでとう。」 小学校からの幼なじみの『山内 海斗』。 私の一番の理解者で 私の一番大切な人。 海斗は小学校の頃から見えない私の変わりに色々と助けてくれた。 彼がいなかったら私の存在もない。 いつも優しい彼が大好きだし,いつもそばにいる事でどんなにエネルギーをもらっているか…。 そんな彼も私をお祝いしてくれた。 海斗「さぁ,ロウソク消して。」 海斗が優しく私にロウソクの場所を教えてくれる。 [フゥーーー] 火が私の吹き付けた息で消えると 煙りの匂いがした…… 母親「おめでとう!!」 拍手の中に私の嬉しい気持ちがたくさん含まれている。 蒼 「ありがと。」 照れながらも私は皆に感謝した。 父親「さぁ,電気をつけて。」 海斗「了解。」 海斗の足音が聞こえる。 [カチッ…] 私の耳が電気のスイッチを聞いた。 その時だった……
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