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何か
暗闇から
一筋の光りが一瞬見えたんだ。
今までに感じた事がない感覚……
ゆっくりと
ゆっくりと
私の瞳に綺麗な世界が見えはじめた。
「私,見える……見えるよ!!!」
家族や海斗は何の事かわからない。
そんな中
私の目の中で
白い線で描かれた景色が
パステルカラーで塗られていく様に
色がつきはじめる。
海斗「蒼,大丈夫?」
心配する海斗の顔が段々とはっきりと見えてくる。
蒼 「海斗……。」
母親「蒼,どうしたの??」
父親「どこか調子が悪いのか?」
気遣う両親の顔も見えてくる。
蒼 「ママ……パパ……」
涙がたくさん溢れて
見えている景色も水溜まりの様で
私は新しい感覚を経験するだけで
こんなにも幸せな事はないと感じるんだ。
蒼 「わ,私……皆が見える!!」
海斗「う,嘘だろ……。」
母親「じゃあ,これは?」
ママが私の目の前で指を二本出した。
蒼 「二本……。」
父親「じゃあ!パパの顔は?」
蒼 「見える。驚いてる(笑)」
海斗「き,奇跡だよ!!!」
蒼 「私,本当に見えてる!!」
この後
私と周りの皆でこの奇跡を喜びあった。
抱き合って
泣いて
喜んで
皆で幸せを分け合う様に。
そして,忘れられない誕生日になった。
奇跡の誕生日……
そして
これが始まりだとは
まだ誰も気づいていなかった。
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