■プロローグ■

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目が見える様になって一週間後…… 時々,激しい頭痛が頻繁に続く様になっていた。 大学にも一人で通える様になり,大学の勉強も楽しんでしていた矢先に起きた体の異変。 でも,私は何も気にしなかった。 ただ目が見えるという奇跡を得た今,頭痛ぐらいでその奇跡が変わるなんて思わなかったからだ。 蒼 「ちょっと,頭が痛い。」 海斗「大丈夫か?」 蒼 「うん,多分大丈夫。頭痛薬もあるし…。」 海斗「今からの講義,サボるか。」 蒼 「えっ!?」 海斗「たまにはいいだろ?少し勉強に熱中しすぎなんだよ!」 そうかもしれない。 海斗「だから,息抜き!」 蒼 「そうだね。うん。」 こんなのが私の夢だった。 目が見えない頃は,こんな事なんて絶対にできない。 当たり前の事を大好きな海斗がしてくれる。それだけで頻繁に続く頭痛なんて忘れられる……そう思えた。 風が心地いい外で 海斗が私の手をひいて 走って大学を抜け出していく。 海斗「なんかスリルあるよね(笑)」 蒼 「本当だね(笑)」 海斗「蒼の目が見えるようになって,こんなにも蒼が幸せな笑顔を見せてくれるなんて信じられないよ。」 蒼 「私も信じられない。今まで,私のそばにいれくれた海斗のおかげだね!」 そう言うと海斗が笑顔で返してくれた。 私は,こんなにも幸せなんだ。 そう思った瞬間 海斗の頭の上に 欝すらと数字が浮かんだ。 [00・08・12・04・31・75] それは動き続けていた。
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