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「――――――え?俺様また泣いてんの?」
重力に従って落ちていく涙を、手のひらで受け止める。
「……手前は、どうしたいんだ。俺にどうして欲しいんだ……?」
手のひらに溜まる涙を、小十郎が流した。
パタタと、シーツに大きなシミを作る。
「…で、も」
言いにくそうに口ごもる。
「…素直にいえ。俺しか聞いていない」
こんな状況で、遠慮する事など何もありはしないのに。
「……はね、」
ポツリと呟く。
「ああ、」
「本当は、納得なんてしてない…。小十郎さんには側にいてほしい。小十郎さんが女の人と一緒にいるのなんて、見たくない。……嫌だ。やだ。絶対にやだ。」
今まで溜めていた気持ちを吐き出すように一気に話す。
「……佐助」
「小十郎さんは、俺様のものなんだから、誰にも渡さないよ。俺様のものなんだ。」
キュウッと"離したくない"と小十郎に抱き付く。
「………佐助!」
遠慮がちに抱き付く佐助を力強く抱き締める。
佐助の独占欲を嬉しく感じる。
それが強い程、愛されていると実感できるから。
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