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きっとあの女性は小十郎さんの上司の娘などだろう。 そう思いたかった。 無意識の内にボーっと見てしまう。 すると、またも視界の端に紅いもの  ……え? 旦那だ。 何故か旦那が小十郎さんの所で、小十郎さんを糾弾している。 思わず走り出した。 「旦那!!」 「おぅ!さす…っ!!」 パンッと乾いた音。 赤くなる旦那の左頬と、ジンジンと痺れる佐助の右手。 「仕事の邪魔してんじゃないよ!!」 呆然としている旦那。 そんなことお構い無しに、旦那を無理矢理引っ張って帰る。 「仕事の邪魔してごめんね?小十郎さん」 申しなさげにはにかむ。 「…佐助…っ!」 名前を呼ばれたけど、振り向かない。
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