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「…うん、わかった」 顔を伏せたまま、こくりと頷く佐助。 佐助の素直な行動に、満足げに笑む旦那。 すると 「だ、そうですぞ。片倉殿」  ……………は? あまりの衝撃に身を見開く。  今、旦那なんていった!!?? カチャリとドアがあく。 そこには愛しき小十郎の姿。 「話は聞かせてもらった」 「ここからはバトンタッチ、でござる」 そう言って旦那が部屋を出て行った。 ベッドの上で呆然と目を見開く佐助。 引っ込みきらなかった涙がポロリと落ちる。 「…泣くな、佐助」 名前を呼ばれたことにピクリと反応した。 いつになく身体に染み入る低い声。 「佐助」 もう一度名前を呼ばれると、堰を切ったように涙が溢れ出た。
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