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「こじゅ…ろ、さ…っ」 泣き顔を見られたくなくて、咄嗟に右手を顔にあてて顔を隠す。 行き場のない左手は、シーツをキツく握り締めていた。 「…………佐助!」 「っ!…こ、じゅぅ ろう、さん?」 顔を隠していた右手を掴まれ、小十郎の方に引き寄せられた。 勢いのまま小十郎に抱き締められる。 「…一人で泣くんじゃねえ」 「…うん」 そろっと小十郎の背に手を回す。 「何で手前は俺がいるのに一人で泣くんだ!」 「……うん…っ!」 ぎゅぅっと強く抱き締められた。 佐助も強く抱き締め返す。 そのまま、小十郎の胸の中で思う存分泣いた。
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