序章

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……―― ――おいて、行かないで……僕を、1人にしないで…… 「……っ!?」 突然僕に服を掴まれたその少年は、驚きと焦りで声にならない声をあげた。 無意識だったんだと思う。 それはあの状況下にあったからじゃなくて、そこに彼がいたから。 月明かりすらない暗闇で、寄り添う壁を探すように差し出した僕の左手が掴んだものが『たまたま』彼だっただけだ。
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