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「言い訳に聞こえてしまうかもしれないけれど、あの時の私には上の子が…優香が全てだったの、
だからといって言っていい事と悪い事があるのも今ならちゃんと分かっているわ。
だからあの子に伝えて欲しいの、凄く後悔している事…今までの事全て!
恋人の貴方の言う事なら聞いてくれるでしょ? 菜緒さんお願いっ!」
叫ぶ様に私に縋り付いてくるお母さんの手を無意識に握り私は首を横に振った…
『ごめんなさい…出来ません…
私から お母さんが許して欲しいと言っていたと伝えれば彼が傷付くと分かっているからっ、だから出来ないです。
私はいつでも彼の味方で側にいると決めています、だから本当はこんな風にお母さんに会いに来てもいけなかったんです』
「菜緒さん…」
『でも お母さんの本当の気持ちを知りたかったのも事実で、だからこそ こうして足が向いたんだと思います。
お母さんの気持ち、私から伝える事は出来ないんですが…』
私は持っていた鞄の中から小さな紙を取り出した…
ここに来る前に予め用意しておいた来週挙げる式場の場所、勿論 渡すか渡さないかは話しを聞いてからだと決めていた…
それをそっと私を掴むお母さんの手の平に乗せた。
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