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いつもの夕方…
誰もいない家でゴロゴロしてると、
メールが届いた
…店長からだ
『今日、頼むね』
「はぁー…」
赤茶色の髪をかきわける
仁科藤子 20歳
今はキャバクラでバイトしてる。
あまりにも退屈な日々で、イライラする
普通にキャバとして営業して
普通に枕だってするし
そんなのキャバとして当たり前だし…
アイロンで毛先を巻いて
アイメイクを完璧にする
ヌーディーピンクのグロスを塗って
これで…
“ゼシカ”が完成する
「今日も完璧。
…さすが私」
店で着る服をカバンにつめて
セクシーなワンピースに、ジャケットを着る
宝石がちりばめられたハイヒールの靴を履いて
ドアを開ける
「やっほーゼシカちゃん」
「あいかわらず可愛いねぇ~」
「まじうらやまだわ(笑)」
「あざーっす(笑)」
「軽い軽い(笑)」
同期の子に会うと
ますますゼシカへのスイッチが入る
「あれミキ、これメイビリンニューヨークの新しいやつ?」
「いえーす(笑)
これね、かなりボリュームアップだから買ったら?」
「まじ!?買っちゃおっかな♪」
「ゼシカはいいよなぁ~…まつげめっちゃ長いしぃ」
「いやいや、ミキもだいぶ長いよ(笑)
私より長いかも。ね、ラン?」
「まつげはミキが一番長いねぇ」
「まじ?やった♪」
「こいつまつげ“は”って言ったのに喜んでる(笑)」
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