二章

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そんな中、蜀の屋敷に1人の男が忍び込んでいた。 「………どこにいる」 周りをキョロキョロしてから再び歩きだす。その周りには麗羽、猪々子、斗詩の3人に美以、ミケ、トラ、シャムが倒れていた。 ---------- 「どうぞ、ご主人様」 「ありがとう」 月からお茶の入った器をもらって一口飲む。 「美味しいよ、月」 「あ、ありがとうございます……」 お礼をしたら月は顔を赤くして悶える。 「それで、主よ」 「何、星?」 「何を考えていらしたのです?」 「え?」 「そうなのだ。お兄ちゃんぼーっとしてたのだ」 「ご主人様、どうかしたの?」 隣に座っている桃香が一刀の顔を覗き込む。 「大したことじゃないんだけど、ちょっとね」 「もしかして、警邏の途中で会った釣り人のことでは?」 愛紗が心当たりのことを言ってみた。 「うん……まぁね……」 「あの…釣り人って何のことですか……?」 雛里がみんなの思っていることを言ってくれた。 「はわわ!2人だけの秘密なんてズルいです!私たちにも教えてください!」 「いや、ズルいと言われても……ご主人様が盗賊に襲われた時に、その釣り人が助けてくれたらしいんだ」
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