二章

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「その釣り人の何を考えてるの?」 蒲公英が頭に「?」を浮かべながら聞く。 「今日、偶然会ったんだ。そしたら『次に会う時、お前の存在は消える』って言われたんだ」 「何それ?」 「何というか、不気味な話ですね……」 「悪かったな、不気味で」 「!?」 朱里の後ろから突然声が聞こえて振り返ると、そこにはちょうど話をしていた釣り人がいた。 驚いた朱里と雛里は一刀の元へ行く。 「お主は!」 「ご主人様、あの人がご主人様を助けてくれた釣り人?」 「あ、あぁ……」 「驚いたのです……」 「っていうか、どこから入ってきたんだよ?」 翠からの質問を聞きながら釣り人は朱里が座っていた場所に座る。 「どこからって、普通に門からだけど」 「なぁ、いい加減あんたの名前を教えてくれないかな?お礼もしたいし」 「そうですよ。私、劉備っていいます。ご主人様を助けてくれてありがとうございます」 そう言ってペコリと頭を下げる。 「………うん、まぁ教えてもいいかな」 少しの間あごに手を添えて考えていた釣り人が言った。 「俺は仙人、太公望。北郷一刀を天の世界に送るために来た」
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